平成23年1月8日 スノーシューで行く冬の西赤石


四国の冬山シリーズ  「冬の西赤石山」 (標高1,626.1m)


                        西赤石山から石鎚を眺める

今年は例年に無く雪が多い年だ。正月に石鎚へ誘わなかったマーシーさんと雪の西赤石を歩こうと誘う。何せ
去年は一度もスノーシューの出番がなく、倉庫に眠らせてしまった。


前日の夜に懐中電灯で収納倉庫からスノーシューを出して車に積む。そうしないと朝持っていく事を忘れる
悲しい還暦の性(さが)・・・


出来れば東赤石へ周回する予定で、06時四国中央市のコンビニでマーシーさんと待ち合わせる。2台で法皇
トンネルを抜けて瀬場にエントツ山車を置き、マーシー車で日浦登山口へ向う。道路には雪が沢山あり、下り
では用心深く運転する必要があった。


日浦駐車場にて用意をし、07時18分雪深い階段を上って行く。日浦谷への入り口から南側を見ると開けた
谷間から高知方面が朝焼けで美しい。 今日はいい天気だ。雪山はこう言う天気にあるかにゃなんねえ


銅山越までの登山道は予想通り雪が深いが、傾斜が緩やかな昔の生活道なのでアイゼンも無しで歩く。無雪期
には1時間足らずで着く銅山峰であるが、途中からの深い雪の為2時間もかかった。

 
    西赤石山 
日浦登山口                           朝焼けの高知側

 
ぎょっ 心霊写真! なんだ マーシーさんか (接待館跡)      旧別子界隈


09時17分雪に埋もれた峠の地蔵さんに挨拶をして、石垣の右手に入りスノーシューを装着。久しぶりのスノー
シューを履くと気持ちが高ぶった。


東山への登山道は雪が深いだけではなく、周囲の木々が雪で登山道に倒れこんで障害になる。ここは馬力の勝る
マーシーさんに先行を任せる。後続とてザックが枝に触れて雪まみれは間逃れない。
首筋に雪が沢山入り込んで
度々悲鳴を上げる。


東山に向って高度を上げると、10時05分銅山峰やその向うの西山の右手に沓掛黒森が現れ、ツナクリ山の彼方
にはチチ山と笹ヶ峰の北面が登場する。

スノーシューを履いてもなお雪に沈んで、滑るのでエネルギーを相当使うのでサングラスが曇る。

 
   雪に埋もれた銅山越の峰地蔵                   スノーシューを装着 (左・マーシー、右・エントツ山)

 


東山付近から 左:チチ山、笹ヶ峰  中央奥:瓶が森、石鎚付近、 右手前:西山  右奥:沓掛山、黒森山

 

更に高みへと尾根を歩いていると、10時45分 笹ヶ峰と沓掛山で作る吊尾根の間から瓶ヶ森と石鎚山が
小さく姿を現す。気高い四国の名峰、石鎚が見える景色は何度振り返っても飽きる事はない。


雪の重みが上から垂れ下がった枝を更に押さえつけ、登山道を障害物だらけにする。上から乗り越えるか、
下から潜るかその度に悩みながら雪と格闘する。


 
  枝が雪で登山道に垂れ下がり苦労する                  ニセピークが見えてきた


ニセピークへの登りに差し掛かり、突然私のスノーシューが外れるアクシデントが発生。スノーシューを手に
持ったまま岩場の上で装着しようとすると、ゴムが中程で切れている。

これでは東赤石山まで行けない・・・

すると同時位にマーシーさんが「カメラが無い〜」と上から叫んでいる。樹木が上から重なっている場所を通過
したのでその辺りだろうと考え100m位探しながら後戻りをする。


こういう場合、あらゆる穴や黒っぽい笹などがカメラの痕跡に見えて、そこを掘りながら後戻りをしていく。
目星を付けた場所にも見当たらなかった。「一度滑って斜面に落ち込みそうになったので恐らくそこやと思います。
帰りにもう一度探しますわ」


二人とも東赤石縦走と縁が無かった様だ。二人とも失意のまま第一目標を目指す。

12時28分ニセピークの覗き見窓から石ヶ山丈の尾根と故郷、新居浜を眺める。ここから春はアケボノ、秋は
紅葉を見渡すのが恒例となっている。


先にマーシーさんのスノーシューでトレースを付けて貰いその上を忠実に歩くが、トレースのご利益は少なく深い
坪足となり苦しい。やはりスノーシューの浮力は侮りがたい。



 
    霧氷が青空に映える                         ニセピーク覗き窓から新居浜と瀬戸内海を見る

 
     岩を登って高度を上げる                      岩に雪が積もりカマクラの様や〜


                  岩テラスから吊り尾根越しに 西黒森、瓶ヶ森、石鎚山を見る


                    霧氷の向こうに石鎚を見る

 
     スノーシューのマーシーさんが手を振る                 西赤石最後の急登

西赤石の本峰の岩場に向っているマーシーさんを追って進み、13時54分西赤石山に這い上がる。平たい山頂の雪に
座って昼食を取る。風は冷たいが最高の展望だ。
銅版山頂標識も何とか遠目には美しく光っている。

14時30分、西側の展望所で恒例のピッケルを雪に突き立てて記念写真を撮る。


          兜岩越しに見下ろすわが故郷、新居浜と瀬戸内海

 
     西赤石山頂                 重たくて飛べないマーシー型ヒコーキ

 
    銅版標識も問題なく立っている         西赤石山で一番良い山頂場所


     ピッケルとは山頂に突き立てて記念写真を撮る為の道具である

 

自分達のトレースがあるとは言え、それが結構深い壷足なので帰りの下りも結構難儀した。途中まではマーシーさんの
デジカメを探しながら歩くのでせわしない。


相当下ってから「有りました〜」と前方で声がする。西日になろうとする陽の光を受けながら下山し、15時58分に
銅山峰でマーシーさんがスノーシューを外す。私のスノーシューはザックに虚しく縛られたままでただ重たいだけである。

 
   ザレ場も雪が積もって感じが良い         銅山越まで帰り着く

 
銅版標識が夕日に光っていい感じ              雪の沢も風情がある

  
      ダイヤモンド水             日浦登山口へ帰る

16時38分ダイヤモンド水を通過し、17時10分登山口へ帰り着く。深い雪の西赤石は中々遠い山となる。スノー
シューのトラブルやデジカメの回収で志半ばの雪山歩きとなってしまったが、今年も雪の西赤石山を踏めた事に満足する。




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