四国の冬山シリーズ
平成23年2月26日 瀬場〜赤石山荘〜八巻山〜東赤石〜権現越〜床鍋
雪と岩の殿堂 八巻山と東赤石山
カシミールソフトを使用したGPSトラックログ図 平成23年2月26日
この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)を使用したものである
最近マーシーさんから音沙汰が無いので連絡してみると、やはりしばらく山へ行ってない様だった。それ
ならと久しぶりに東赤石へ行く事に。
2週間前にToshi さんや つむじかぜさんが余りの雪の深さに撤退した所だ。あれから暖かい日が続いた
ので雪も減っている事だろう。
06時四国中央市のコンビニで落ち合い、車2台で法皇トンネルを抜け床鍋に私の車をデポ。マーシー
さんの車で瀬場へ向う。別子山の道路には雪は無く、ちょっと山の雪の状態が心配になる。
07時38分雪のほとんど無い瀬場登山口をアイゼンとスノーシューを持って出発。私のスノーシュー
は前回西赤石山で留めゴムが切れたのでクロスポイントにて取り寄せ購入した。1本700円で予備を
含めて5本買った。
08時26分木橋分岐に到着。Toshi さんから掲示板に張って貰った橋の上に盛り上がった雪は既に無か
った。分岐から沢沿いのルートを取る。 0920分 雪が深くなり斜面が多いのでアイゼン装着。
09時32分雪の多い大岩渡渉部を左に渡る。
雪が深く、足が潜りだしたので平らな沢べりでスノーシューを装着し10時39分右に渡渉する。ここ
から太陽の当る登山道を赤石山荘へ上がっていくのであるが、陽だまりでは雪が融けている場所さえ
あった。
瀬場登山口 八間滝を発見
瀬場谷分岐手前の木橋 Toshi さん提供の2週間前の様子
アイゼン装着〜 斜めの雪道は歩きにくいわい
大岩渡渉地点 ここを左へ渡る 以前この沢を遡行したんやなあ
沢筋で雪が深くてツボ足になる
スノーシュー登場〜 手前:エントツ山 雪の渡渉地点
向かいの雑木林は笹の林床に積もった雪に規則的な影が出来て幻想的な風景となる。
天狗ノ庭手前の掘れ込んだ登山道は雪で埋まっているものの、スノーシューが無いと壷足が必死の柔らかさ
だった。天狗の庭辺りに到着すると前方には八巻山の岩峰が手前の雪原と紺色の空をバックにこげ茶色で
聳えている。この時期ならではの岩と雪の殿堂に見入って記念写真を撮る。
天狗の庭手前 掘れ込んだ登山道 天狗の庭でシェ〜〜 スノーシューでバランスが・・
冬の天狗の庭 左の岩山が1682m峰、 右の岩峰が八巻山1698m だ
夏道はロープ等を張っているのだが、一面の雪原で最短距離を赤石山荘へ向う。11時23分赤石山荘に
付く。小屋の周りは雪で覆われ、雪が深かった名残がある。
積雪で低くなった長椅子に腰掛けて八巻山を見上げると、こげ茶色の岩部が多いのでアイゼンに履き替える。
小屋の前から八巻山直登ルートに取り付くが、意外と雪が沢山残っており、北アルプスの雪渓の様相だ。
油断をすると腰まで埋まる雪渓を楽しみながらマーシーさんと適当に岩峰基部まで這い上がる。振り返ると
コマドリ尾根の向うに平家平が一段と白く輝いている。
「スノーシューで良かったなあ」と言いながら岩峰に取り付く。
最初の岩峰へルート通りに這い上がり、次の鞍部を乗っ越し、八巻本峰へと進む。雪の多く残った北側を
回り込み雪に埋もれた八巻山へ12時33分到着。登山口から5時間弱かかった計算だ。
ちょっと見 雪が少なそうな八巻山
赤石山荘が見えてきた ここでスノーシューを脱ぎ、ちょっと休憩
岩と雪の殿堂 八巻山へ向かう
後ろに平家平が見える 岩峰基部に向かう
油断すると又下まで雪に埋もる 西側の1682m峰
一見 厳しそうな八巻山の岩峰 雪の棚を伝って八巻山へ向かう
どこに居ても 石鎚山が見えると嬉しい 正面手前がコマドリ尾根
八巻山に到着〜 東赤石山が顔を出す
基本的に西赤石からと同じように吊り尾根の向こうに石鎚が見える
八巻大権現の祠 ちょっと背中を伸ばして撮ってもらう
ここで遠く石鎚を眺めながら昼食休憩とする。石鎚方面からはコマドリ尾根が多少壁になっていて同定が難しいが、
かろうじて東赤石のドームを望む事が出来る。逆にこちら側からも石鎚の南尖峰から弥山の岩峰が見える。
見るとマーシーさんが私と同じ山専用ボトルを出している。あれ?いつから持ってるの?
実は私の掲示板での性能を見て早速ネットで購入したらしい。多少値段が高いが(¥6,300)保温力抜群で冬
には強い味方となる。確かにバーナーでお湯を沸かすのが一番いいのだけれど、カップラーメンくらいだったら
山専ボトルで十分である。
このお湯で学生時代に随分お世話になった懐かしの日清のチキンラーメン食べる。
さて13時になったので東赤石へ向う。そこからどちらに下山するかは東赤石到着時間で決めようと言う事で出発。
岩尾根の稜線部は思いのほか雪が深く残っており、所々ではヘタれた雪で腰まで埋まる。ある場所ではもがけば
もがく程岩の間から斜め下にズリ落ちそうになる程だった。潜った方は必死だが、眺める方は大笑いを繰り返し
ながらも次第に東赤石が近づく。
山頂直下の分岐まで来ると新しい壷足トレースが残っている。ありゃ? 誰か来てたんや
(後から聞くと仙ちゃんが赤石山荘まで来て引き返し、もう一人が尾根登山道から上がった人がいる事がわかった。)
そこそこ岩が露出した東赤石山頂へ到着したのは13時45分。これなら時間的に権現越へ向えると判断する。
助けて下さ〜い ワハハ〜 自分で出なはれや ありゃ〜 こっちも動きが取れんがな
ここってタカネマツムシソウが咲き乱れる場所やんけ
やっぱり石鎚が気になる 最後の急登 後ろが八巻山とコマドリ尾根
東赤石山
尾根筋の積雪が深いのでここから又スノーシューを装着する。
枝が腰の辺りに張り出す樹林帯を進んで東赤石三角点へ出る。ここから東への景色は非常に懐かしい。
尖がった黒岳、台形のエビラ、その右側には二ッ岳、黒岳の後ろ側には秀麗な形の赤星山が少し姿を現す。
全てが馴染んだ山々でそれぞれが思い出の地だ。
少し右手の遥か地平線上に二塊(ふたかたまり)の白い雪を頂いた山群が見える。恐らく左側が祖谷を
挟んで南側に並ぶ矢筈山系で、右側の連なりが天狗塚から剣山に至る壮大な山並みである。
細長い三角点山頂から岩尾根を下るのだが、スノーシューが通用する積雪量を保っている。
前赤石から八巻山、東赤石と赤茶けた橄欖岩の岩峰が続く。東赤石山を東側に下って行くと次第に樹林帯部
が多くなり、権現越までに樹林帯に覆われたピーク(無名峰)を越える。このピークは向かいの権現山より
高い1650m程の標高を持っている。
樹林帯の中は特に雪が深く、障害物を避けながら進む。権現越への下りに入ると雪の吹き溜まりが多く、
スノーシューごと太ももまで沈み込み足が抜けない。勢い慣性の法則で幾度も前の斜面へ転倒する事になる。
その度にお互いが不謹慎に笑い転げる珍道中が暫く続く。
東赤石山 山頂にてスノーシューを装着 東赤石三角点尾根
まあ 記念写真なぞ・・・・ 三角点テラスは眺めがいいぞい
雪があるからスノーシューが使える シャクナゲの枝が足元にあり歩きにくい
東赤石山を振り返る まだまだ続くよ 東赤石の東尾根
黒岳 エビラ 手前:権現山 右奥:二ツ岳
権現越が見えてきた でも下りで雪が深い スノーシューが埋まる
権現越 下りれば権現越も雪が多い
やっと樹林帯の斜面を抜け、15時24分広びりとした南斜面に陽を一杯に受けた権現越に降り付きほっとする。
しかし、ここからも難渋する雪道が続く。なにせ大量に降った雪の下では確実に春の小川となり、登山道をチョロ
チョロと音を立てて流れる。その雪を上からスノーシューで踏み込む訳だから股までの壷足となる。と言ってスノー
シューの浮力無くしては進む事もままならない。沢に出来た小さな滝を右手に見ながら下って行く。
植林遅滞のジグザグの下りになりスノーシューを脱ぐ。 楽や〜〜〜
軽くなった足を運びながら16時37分四国電力の標識がある鉄塔巡回路に合流。
樹林帯に入っても雪は消えず、登山道が斜めになって歩きにくい。許容重量150kgと言う二人の体重では微妙な
、しかしながら丈夫そうな4箇所あまりの電力保線鉄橋を渡り、薄暗い植林地帯をどんどん下る。
砂防ダムが左手に見えてしばらくすると見覚えのある人家(廃屋?)が見えほっとする。17時30分舗装道路に
下り付き、国道まで少し歩き私のデポしたラッシュに帰還。
権現越を下る 権現岩
沢で水を補給 床鍋谷
権現山からの鉄塔巡視路に合流 四国電力鉄橋
退屈で暗くて長い植林地帯に入る 雪が中々消えない
終点はもう近い 床鍋登山口に下山
いや〜〜 心配していた雪は結構残っており、雪と岩の殿堂、 痛快な雪山歩きが出来ました。