平成23年 あけぼの紀行 西赤石・串ヶ峰界隈
平成23年5月14日(土)
東平〜一本松〜石ヶ山丈〜兜岩〜西種子川・造林小屋跡〜串ヶ峰・あけぼの尾根〜
大岩展望所〜串ヶ峰〜上兜山〜物住ノ頭〜西赤石〜兜岩〜一本松〜東平
この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)を使用したものである
カシミールソフトを使ったGPSトラック・ログ図 東平〜兜岩〜串ヶ峰〜物住ノ頭〜西赤石〜兜岩〜東平周回
兜岩から西赤石 平成23年5月14日 17時50分頃
今年のアケボノツツジは遅れ気味で連休中は全くダメな状況だった。満を持して平成23年5月14日兜岩へ
出かける事にする。ただし真の目的はその向こう、串ヶ峰の山頂標識メンテナンス作業なのだ。
兜岩から西赤石山へ這い上がらず、左手に下りて行く道がある。これを辿ると植林尾根から西谷川上流の造林
小屋跡に下り付く。ここから沢沿いに魔戸の滝付近に至る作業道が左岸に伸びている。 2万5千分の1地図には
この作業道から沢を右岸にクロスし串ヶ峰の北側尾根に続く破線が載っている。
今回はこの破線道がわかればそれを歩いてみようという計画である。もちろん無ければ適当に斜面を這い上がる
事も念頭に入れているし、むしろこのルートの方がより魅力的だと感じていた。
06時自宅を出発、07時半頃東平の臨時駐車場に着くと既に車は満杯状態。手前の斜面に乗り上げて駐車。登山
靴とスパッツか長靴か迷ったが、何となく長靴をチョイスして07時45分出発する。比較的軽装の若者も居て
ちょっと長靴姿が恥かしい。
第一広場変電所跡から上部鉄道一本松停車場跡へ進む。途中で男性一人が道を譲ってくれたので挨拶をして先を
行く。08時12分一本松停車場跡を素通りしてそのまま尾根に入る。地図でみると結構立派な細尾根が石ヶ山丈
の尾根へと伸びている。以前牛車道を歩いた時に途中までは確認済みで、道が無いもののそんなに藪いてはいない
様子だった。予想通り快適な支尾根で、20分位登るとあれ?右手下から作業道が伸びてきて合流していた。
楽勝〜
07時30分東平登山者用駐車場は沢山の車が来ていた 一本松停車場をそのまま直登 (下が一本松停車場)
昔はここにも道があったのだろう 途中から踏み跡は無い
右手から来る作業道との合流点 (左が作業道、右は尾根) 植林地帯のコル
ちょっとした植林地帯を過ぎると08時43分鉄塔を分解した鉄柱と碍子が置かれている場所に着いた。とすると
ここに以前住友共電の鉄塔がありその巡回路だったのかも知れない。
09時右手の木々の間から兜岩とその手前の尾根が見えた。その後、今度は左手の木々の間から石ヶ山丈の尾根が
見えて、斜面にはアケボノツツジがびっしりと咲いている。
手前の樹林帯が邪魔をして良く見えない。長靴姿で樹に登って確認する。昔の身軽さは無いが木登りってのは結構
楽しいもんだ。
09時15分鋭い岩が前面に現れる。これを回り込み岩の上に上がると西側の山々が見渡せた。チチ山・笹ヶ峰と
沓掛・黒森で形作る吊尾根の間には瓶ヶ森か西黒森の頭が少し見えるだけだった。
コル部を越えると道の傾斜が急にきつくなり、笹薮も出てくるが総じて踏み後が続いている。最後は予想通り笹の
藪が濃く獣道の様なスペースを辿って右へ右へとトラバースする。すると一面がアケボノツツジに覆われた場所が
あり、それを抜けると石ヶ山丈の大岩展望所に着いた。
尾根に出ると赤テープが見られたが、途中の尾根道にはテープが皆無でとても気持ちが良かった。
鉄塔を分解した置き場があった 長靴を履いたターザン (木の上から)
右手には木々の間から兜岩が見える リョウブの大樹林帯が見事
左手上部の斜面は新緑とツツジのピンクが美しい
大岩があった 大岩に登るとチチ山・笹ヶ峰〜沓掛・黒森の吊り尾根が見える
東平が眼下に見えた でも足元は笹薮 (これは獣道ではないぞ)
アケボノツツジが綺麗 アケボノ越しにチチ山・笹ヶ峰が並ぶ
最後は相当の笹薮となる でも足元にはスペースがある 石ヶ山丈の尾根、大岩展望所に登りついた 兜と西赤石
大岩の上で涼しい風に当りながら兜岩を見る。手前に一つピークがありここから兜岩まではまだ距離が十分
ある。石ヶ山丈の藪尾根は相変わらずで笹に埋もれながら兜岩を目指すが、足元には歩行スペースがあるので
難儀はしない。
10時30分兜岩の基部に着きここから直登する。左手からトラバース道もあるのだが面倒だ。ヘビノボラズ
やイバラの刺に刺されながら10時57分兜岩の北端に這い上がる。振り返る新居浜の町は黄砂で霞んでいる
のが残念だ。岩の上で切れこんだ西谷川を隔てて次に進む串ヶ峰尾根を見る。
谷は結構切れ込んでおり、折角這い上がったのに又谷まで下りて向いに行くのかと思うと、地図上で立てた
自分の計画に多少文句を言いたい気分になる。
兜岩の北端に男性単独登山者がいたので挨拶がてらに話をする。毎年兜岩に来られている松山の近藤さんだった。
昨年はあまり良くなかったので今年は良い咲き具合だと言う。南面から高知の森さんご夫婦も来られて話を聞く
と万作おじさんを知っていると言う。私の掲示板も覗いてくれているとの事でお礼を述べて兜岩基部へと向う。
すると今度は正面で人懐っこい笑顔でこっちを見ている人に会う。お〜〜何とてんきちさんじゃおまへんか
連れの男性と日浦から来られたらしい。見ると二人ともスパッツを履いている。以前高御位山さんから四国の
登山者はスパッツが好きですねえと言われた事がある。まあ一種のファッションか? ゆっくり話をしたいもの
だが、何せ先は長い。「串ヶ峰へ行ってきますわ」と立ち去るがきょとんとしているので何処の事だかわからない
ようだ。
石ヶ山丈薮尾根にもアケボノツツジが沢山咲いている 兜岩 北側基部を進む
この大岩に沿って這い上がる 兜岩裏手には鉱山のズリ跡がある 紫石も転がっていた
兜岩北端に立って霞んだ故郷 新居浜を見下ろす
串ヶ峰 上兜山 物住ノ頭(右奥が前赤石)
近藤さん 森さん てんきちさん 同僚
う〜〜〜む 今年もまずまずの出来映えやね ありがとよ 西赤石
11時25分兜岩分岐から左手の西谷川への道へと下がる。アケボノツツジとイシヅシザクラが咲いている
斜面を抜けると左手に石ヶ山丈への分岐があるが、そちらに行かず真っ直ぐ下方の樹林帯へと入っていく。
この尾根伝いを最後まで突き切り急斜面を沢へと下りて行くと丁度造林小屋跡に下り付くのである。
例によって赤テープも見られるからこのルートで沢に下りていく人も幾分居る様だ。
最後は急な斜面を樹に?まりながら沢の音がする方へ下りる事になるのだが、右手にあまり逸(そ)れると
崖の上に出るのでちょっと左気味に振るのがコツだ。
12時00分沢に下り付くと右手に滝がありアケボノツツジも咲いている。造林小屋から串ヶ峰へはこれまで
沢を遡行して上兜の北側に這い上がるルートと、造林小屋の対岸から直接小さな枯れ沢を這い上がり藪コギの
末に串ヶ峰南東稜線に這い上がるルートを歩いた。
この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)を使用したものである
平成22年12月23日の串ヶ峰ルート この時は倒壊小屋から直接串ヶ峰に這い上がるルートを選んだ。倒壊小屋の対岸に
小さな涸れ沢があり、それを遡行する。直ぐに笹薮になり串ヶ峰の南西尾根に這い上がると、比較的なだらかな笹薮となり
獣道を辿って串ヶ峰山頂付近に至る。
又、兜岩から直接登山道の北側尾根を下り最後は裏谷に沿って上部鉄道に復帰した。
兜岩から西谷川へと進む ヒカゲツツジ、イシヅチザクラ、アケボノが咲いている 植林地帯を下る
串ヶ峰が前方左上に姿を見せる 西谷川に近づくと急斜面となる
沢に下りると右手に落差のない滝がある 造林小屋が倒壊している 風呂釜が最後に残りそうだ
今日は西谷川を少し下流に下がって、作業道が谷をクロスするルートが第一目標、で・・・道がなければ
その辺りから直接アケボノツツジが密生する尾根伝いに串ヶ峰へ這い上がる2段構えである。
造林小屋跡から下流に30m位下がると左側に苔むした石段がある。ここが魔戸の滝上部へと続く作業道
の始まりとなる。
右岸へのルートを注意深く見ながら沢の左岸作業道を歩く。至る所にアケボノやオオカメノキの花が咲き、
新緑に差し込む日の光が渓流に輝いて、もう最高の場所だ。だが、道は次第に谷から離れて行き中々沢近
くまで下りてこない。
コケ生(む)したゴロ石沢を過ぎるとこの辺りで沢に近づく。でも道は直ぐに大岩の上側へ向って続き沢
から又離れてしまう。道をバックして先ほどの一番沢に近づいた場所に帰り対岸を見る。GPSで位置確認
してもやはりこの付近から右岸へのルートがある様だ。前面は巨大な岩壁となっており、岩棚が見えそれが
対岸ルートかと思うがどうも自信がない。ついに確固たる串ヶ峰尾根への作業道らしきものは見つける事が
できなかった。
これでアケボノ見物をしながら串ヶ峰へ這い上がれると思うと半分嬉しい気分になる。問題はアケボノ尾根
への取り付きだ。岩壁の上流側を見定めると何となく這い上がれそうだ。
ここしかないと目星を付けて12時34分沢を渡る。予想通り岩場を上がるとそこは尾根部だった。当然道は
無いが尾根を伝うって事は一番安全で確実な方法だ。頭上にはアケボノツツジが乱舞する。右の斜面下にも
アケボノが帯の様に群生している。
倒壊小屋から少し沢を下ると左手に石段がありそこから作業道が続く アケボノの時期は美しい桃源郷となる
川面に枝を伸ばすアケボノツツジ「
左岸に沿って作業道が続く コケ生したゴロ岩場を振り返る ここを過ぎて沢を渡る
対岸辺りは新緑とアケボノの柔らかい色彩に覆われている
こんな美しい沢を渡る
12時34分 作業道が沢に一番近づいた場所から渡渉する 適当に岩場を這い上がる
岩場の上に出る事が肝心だ 岩場の上に出ると予想通り尾根があった
笹薮と岩とアケボノ 当然 笹薮に溺れる時もありまっさ
でも この風景に出会うとここを歩けた事を感謝する
このルートは徹頭徹尾笹藪なので、岩があればその上を歩く。
13時10分大岩が前方に現れ、横に迂回して岩に這い上がると西側に先ほど下って来た兜岩から派生する
尾根が良く見える。現場は大した事はなかったのだが、対岸から眺めると結構急な傾斜を沢まで下ったのだ。
相変わらず藪尾根ではあるがアケボノツツジが群生しているので退屈はしない。あまりにも沢山ありすぎると
AKB48みたいに個体はどうでも良くなってくる。目の中までピンク色になってしまう様だ。
13時25分大岩を迂回してその上に這い上がる。するとここから串ヶ峰とその手前に天然杉が沢山生えた
ピークを見渡す事が出来た。目標がはっきり確認出来てちょっと安心する。西側の向かいを眺めると兜岩の
下側にある尾根とほぼ同じ高さまでになった。
大岩を下りて尚も上を目指すとシャクナゲ藪が姿を現した。藪歩きで一番厄介なのはこのシャクナゲ尾根だ。
これが密生していると枝が無数に低く生えているので大障害物となる。シャクナゲ藪に突入して少し格闘する
と直ぐに尾根道は優しい笹と岩尾根となってホッとする。
14時00分アケボノに覆われた平たい岩場に這い上がると新居浜方面が眼下に広がった。
今までの下界は西谷川の渓谷と石ヶ山丈の尾根であったのがここで初めて北側の新居浜市内が視界に入った。
つまり、尾根が北側に振ってきたのである。と言う事は魔戸の滝登山口からの登山道と合流も近い事を意味する。
見通しの効く岩場で北側を眺めるとその尾根が見えた。どこで合流するのかとてもワクワクする。
しばらくするの天然杉が沢山現れたので、恐らく串ヶ峰手前のピークまで到達したみたいだ。
14時08分見覚えのある一本の白骨樹と大岩がすぐ右手に見えた。初めて串ヶ峰に魔戸の滝ルートで来て、
この大岩展望所に出た時は感動したものだった。
振り返ると〜 ♪ いつもアケボノが 笑ってくれた ♪ 風の様に そっと ♪ 長靴が重たい〜〜
まだ西赤石が聳えている まだまだ登らにゃあかん 岩場はなるべく岩の上を歩く
このアングルは気に入った!
串ヶ峰が見渡せる大岩に出た 手前に岩と天然杉のピークがある
しばし大岩展望所にて向かいの西赤石、兜岩そして西谷川に下って来た尾根ルートを眺める。自分の歩いた
ルートを眺めるのはとても楽しい瞬間だ。 不安定なヤギの背岩をへっぴり腰で乗っ越して登山道に合流。
ここからはちゃんとした踏み跡やテープが存在する。するとどうだ! 今まで無粋な藪尾根だと思っていた
この場所がピンク一色の世界に変わっていた。参った!
尾根の向こう側へちょっと出ると新居浜が眺望出来るアケボノ岩が又あり、中々先へと進めない。
山頂付近になると又潅木と笹薮となり14時30分串ヶ峰に着いた。
この辺りまで来ると新居浜が霞んで見える 這い上がって来た尾根
右の大きな尾根が魔戸の滝からの正規(?)ルート 手前のピンク尾根が今回這い上がったルート
西側には 西赤石山と兜岩が正対する 兜岩手前の尾根を一旦西谷川まで下りた訳だ
懐かしい白骨樹と大岩が見えた あそこまで行こ〜 大岩展望台を登山道尾根方面から振り返る
何じゃこりゃ アケボノ街道じゃないの
尾根道の左へ出ると う〜〜 又 新居浜が見えるじゃん 尾根道の右に出ると 西赤石が見える
串ヶ峰直下は潅木と笹薮 14時30分 串ヶ峰へ着いたぞ
山頂標識を確認する。一見標識然としているものの、よ〜く見るとペンキが剥げかかっている。厳しい冬場の
風雪に耐えしっかりと立っていた。早速メインテナンス作業に取り掛かる。風が強いので虫が少なくて助かる。
メンテナンスと言ってもペンキ職人の経験は無いので綺麗には仕上がらない。下塗りのペンキが乾く間を利用
して赤石山系を眺めながら昼食をとる。昼食ったってゆーちゃん所と違って至って質素極まりない。コンビニで
思いつきで籠に入れたおにぎりやパンをお茶で流し込む。
そして今度は綿棒を使って山名部分に白を着けていく。標識は既に6年経っているのでヒビが入っているので
中々綺麗に塗れない。熟女を過ぎた化粧姿と同じで遠めにしか良く見られない。
同じ日に かえるさんが串ヶ峰を訪れてメンテナンス前の山頂標識の写真を撮ってくれていた
メンテナンス後の山頂標識 こちら 西赤石方面に置かれたサブの山頂標識
15時50分作業を切り上げて標識を元に戻し上兜を目指す。以前、串ヶ峰〜上兜の間は物凄い潅木藪でルート
取りをしながら進んだものだったが、今は右へ左へと快適な登山道が付けられている。ここに珍しいコケが発見
され、学者さんなどが来だして整備された様だ。
16時10分上兜山に着く。ここの銅版製の標識は裏側のネジが外れかけて先日直しに来た。見ると今度は左側
のネジが少し浮いてきている。又ここにも出直しが必要だ。
上兜山から物住ノ頭までの藪尾根は以前相当てこずったものだ。今は快適な道が出来ている。この藪尾根も今は
至る所にアケボノツツジが咲き、東側の前赤石、東赤石、エビラ・二ッ岳などの峨蔵山系の景色を飾っている。
中央の山に比べると標高は1000m程少ないが、北側の海岸線から立ち上がるこの赤石山系の風景はこの尾根
から見るのが最も迫力がある。
振り返ると上兜がいつの間にか傾いている。丁度槍ヶ岳が南岳方面へ出ると傾いているのと似ている。
ギザギザ頭の上兜山 右奥は前赤石
上兜から続く下兜への尾根 大女の肩を歩く 先端は串ヶ峰
モヒカン頭の上兜山がピンクに染まる 上兜山に設置した山頂標識 waiwaiさんの由緒あるしゃもじ
物住ノ頭に向かって薮尾根を登って行かねば・・・ 上兜山を振り返る
赤星山 二ツ岳 エビラ山 権現山 東赤石への稜線
前赤石山 物住ノ頭
山桜とアケボノツツジ 串ヶ峰 ミニ槍ヶ岳 上兜山が傾いている
物住ノ頭手前はこんなに雰囲気が良い
3つ位ピークを越すと1700時やっと物住ノ頭に這い上がった。そこは実に平和な光景で今までの藪一辺倒
から比べて別天地の様だ。道の定かでは無い藪に好んで突進し、格闘した挙句道が定かな場所に出るとホッと
する。この自己矛盾は一体何だ !
前赤石に山頂標識を設置した後、ここに銅版標識を置きに来たときはもう夕暮れ時だった。ここまで来ればもう
暗くなっても歩行には何も問題はない。
物住ノ頭から西側、西赤石、吊り尾根が一望の下に目に飛び込んでくるが夕暮れをひかえて霞んでいる。長靴スキ
ップを踏みながら17時35分西赤石を通過。ここの銅版標識もまだしっかりしている。一旦西側の風景を見るが
やはり霞んでカラマツの新緑が綺麗に見えないので兜岩へと下る。
1700時 物住ノ頭に辿りつく 前赤石とその左に峨蔵山系、一番左が赤星山
西赤石山と兜岩 その向こうに吊り尾根が霞んでいる 物住ノ頭もここから見ると山らしい形をしている
串ヶ峰 上兜 雲ヶ原から大女の肩を眺める
17時35分 西赤石山 兜岩と石ヶ山丈 その向こうに新居浜が霞む
斜面にはロープや梯子が設置されている。最近の西赤石人気で多くの登山者がここを歩く事を考えるとありがたい
事だし、斜面の登山道崩壊の防止にもなっている。ここもアケボノトンネルがあり素晴らしい
10分程で斜面を下り兜岩に上がる。当然の事だがこの時間は誰一人居ない。ゆっくりと夕日を浴びた西赤石北面
のアケボノツツジを眺める。 兜岩から見上げる西陽を浴びた西赤石山北斜面は日本でも有数のアケボノ展望所で
ある。
我が故郷にこういう素晴らしい山がある事を山歩きを通じて知った。あと何年この美しい風景を眺める事が出来る
のだろう。
ロープや脚立が置かれていた アケボノトンネル
イシヅチザクラが岩の前面に咲いている
西陽を浴びた西赤石山
1800時 兜岩を後にする。鉄底の重い長靴をボコボコいわせながら半ば走るように上部鉄道を目指して下りて行く。
この登山道はトラック・ログ図を見れば良くわかるが、最初の尾根からうまく南側の尾根へ移ってルートが付けられている。
去年の12月23日、最初の尾根をそのまま西に進んでみたが、途中で岩場に出てしまう。従って最初の尾根をそのまま
進むより南側の尾根に移った方が返って時間が短く歩く事が出来るのだ。
18時12分上部鉄道に下り付く。下り坂を走ったので少し膝が痛くなり途中から普通に歩いた。18時40分夕日が正面の
植林の間からきらめく一本松停車場跡に着き、東平へ向かう。朝 ここを意気揚々と直登していった自分の行為は既に過去
の事柄となり、もうあの時間は帰って来ない。 夕暮れは人間をこういう心境にするのだろうか。
19時00分三の森に夕日が沈み夕焼け空となっていた。誰も居ない駐車場を後にし、めくるめく様なアケボノツツジ三昧の
一日を頭の中でなぞりながら自宅へと帰る。